流れる景色はモノクロームで
流れる人波は一体どこへ向かう
さんざめく思考と雑踏のなか
飛び交う違う言葉の会話や
においや湿気や空気や温度が
やるせない私の背中を押す何かと共に
鬱積した情と不安と居心地の悪さに
目の前のASIAがとんでもなく異国だった
遊園地で迷子になった気分だった
からだにまとわりつくあの独特の空気が嫌で
ひたすら歌った ひたすら歌ったんだ
私を癒す曲を ただひたすらに歌ったんだ
繋がりはあるのに
繋がりさえ不明確で
手をつなぐことも
キスもハグもセックスも
幾度となく繰り返した過去の恋人は
異国の地で別人になっていた
交わした会話にこころはなくて
隣にいるのに存在しなくて
みじめに思う私は
異国の地で初めてほんとうの孤独を味わった
ホームシックと、
別の道を歩んだこと、
虚しさと悔しさと切なさと、
翻弄する中
私はひとり
台湾の街のなか ひとり孤独を味わったんだ
2014.6.1
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