2014年6月13日金曜日

謝々 " シェイシェイ "

黄色いタクシーが 荒っぽい運転で
ねずみ色の道の上 何台も行き交う
雨で湿った道路の水溜り 水を飛ばして
誰かを乗せたり 乗せなかったり

どんより曇った空と
まったく違う空気の中

見慣れた7の看板のコンビニに向かう
違う言語で書かれたポカリとウィダーイン

どこにいても孤独がつきまとうから
どこにいても私は歌った 自分を癒す為に

***

鮮やかな色彩の街に出るため
あの黄色いタクシーに乗った

運転はやっぱり荒くて その上何車線 
みな自分の為にアクセルを踏んでた

帰りたいと思った
帰って安全に身を置きたいと思った

降り際 元を払うとき初めて言った、「謝々(シェイシェイ)」

その瞬間 故郷のアーティストが歌ったタイトルを思い出して
その瞬間 初めてあったかさがこころに広がったんだ "謝々"

両手を合わせて私も言う「謝々」
日本人としての もとはアジアの信仰心からの

でも大切なそのしぐさとこころと言語は違えど
感謝のことばは 荒んだ私を和らげ涙ぐませた

***

どぎつい色の街 目が合えば声張り上げる露店
線香の香りだらけの そこに群がる信仰の人たち
日本にはないマゼンタの花 拝み続けられる神様

安っぽいデザインのいかにもアジアの服
味がきつくて全く合わない食事と 
唯一美味しかった甘いもの
放し飼いされてた黒い犬たち

当たり前だけど

違う文化と違う習慣

違う生活と違う食事

違うタブーと違うルール

紛れて歩く私はほんとうに異国人
だけど謝々、あのことばと意味だけは

全人類をあったかいこころにさせるんだ、きっと

 
***

帰りにまた黄色いタクシーに乗った
流れてきたのはエアロスミスの I Don't Want To Miss A Thing

運転手といっしょに歌った 

ことばはわからなかったけど

「君もこの曲が好き?」
「はい、日本でも流行ってました」
「良い曲だね」
「そうですね」


***

黄色いタクシーはまた荒っぽい運転で去った
ホテルのスタッフがおかえりと言ってくれた

「謝々」
ことばにするともう気持ちは落ち着いていた
ありがとうはほんとうに 何よりもあたたかい

***

黄色いタクシーがくれた謝々
それからもらったあったかい心

そして謝々がくれた2曲の意味を考えた

"I Don't Want To Miss A Thing"
" なにひとつ 見逃したくない"

私はホテルでひとり 考えたんだ
ただひとり 考えたんだ

謝々を通して


2014.6.1

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スピッツ/謝々

終わることなど無いのだと 強く思い込んでれば
誰かのせいにしなくても どうにかやっていけます

やり直しても良いのです 今度は一人ぼっちでも
記号化されたこの部屋から ついに旅立っていくんです

いつでも優しい君に 謝々!!
大人も子供も無く
涙でごまかしたり 意味もなく抱き合う僕ら
今ここにいる

生まれるためにあるのです じかに触れるような
新しいひとつひとつへと 何もかも悲しい程に

あくまで優しい君に 謝々!!
赤い土にも芽吹いた
大空に溶けそうになり ほら全て切り離される
鳥よりも自由にかなりありのまま
君を見ている

生まれるためにあるのです じかに触れるような
新しいひとつひとつへと 何もかも悲しい程に

あくまで優しい君に 謝々!!
赤い土にも芽吹いた
大空に溶けそうになり ほら 全て切り離される
くす玉が割れて笑い声の中
君を見ている

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